シンギュラリティ — 人工知能から超知能へ

シンギュラリティ(技術的特異点; 人工知能が人間の能力を超えること)について基礎知識を仕入れておこうと、読んでみた。結論からいうと、あまり面白くなかった
著者はコンピュータが人間レベルの知能を持つことは技術的に可能であり、それが近い将来であることは確実かつ必然であり、そしてその後ただちに人間を超える超知能が現れる、と説く。そして、それは自意識を持つか、人格を持つか、人間に友好的であり得るか、肉体にとらわれないコピー可能な知能の人格とはいかなるものか等々の哲学的考察を重ねる。それが必然である以上、我々は今から対応を考えておく必要があるのだ、というわけだ。
私も、脳はコンピュータに過ぎないのだろうと想像するが、百数十億のニューロンがそれぞれ数千のシナプスでネットワークされていて、それがほんの数十ワットで動くヒトの脳ほどの処理能力を持つハードウェアが実現されるのはまだまだ先、“ほんの数十ワット”の部分を考慮しなくても、最近言われている2040年代半ばよりもっと先ではないだろうか。人間レベルの知能よりずっと手前に、会計士・弁護士・医者等の知的労働者を不要にするような革命があるだろう。そちらの方が、対応を考えるべき当面の課題であり、あまり先走っても意味がない、と感じた一冊。